「……何それ、そこが好きなの?」
 タオルで頭をごしごし拭きながら、彼は私の隣にドサッと座った。

「……あの、パジャマ……ありがとうございます。下着も。どうして、女性もののパジャマと下着が家にあるのか、疑問ですけれど」
「……言っておくけれど、過去の誰かが使ったものとか、俺が使ったものではないからな」
「……野崎さんには小さいような、どうでしょう? 」
「……冗談だよ、後半のは。下着は今コンビニで買ってきたのっ。パジャマは……あ、パジャマ着る人? それともスウェットとか、Tシャツみたいな部屋着で寝る人?」
「パジャマ以外、考えたことなかったです……」
「俺も、パジャマ着るんだよね……結構着ない人多いみたいで」
「……そうなんですね。ふっ」
「何?」
「似合いますね、パジャマ」
「……ありが、とう?」
 
 野崎さんが複雑そうに、お礼を言う。私のはアイボリーに近いピンクで、彼のはネイビー。
 
「ん?」
 交互にパジャマを見る。各々、パイピングされたデザイン。
 
「お揃いだ、いいだろう?」
 なぜか、野崎さんはものすごく満足げに言った。
 
「なんですか、そのどや顔」
「……パジャマお揃いって、よくない?」
 私の反応に、少し悲しそうだったので、慌ててフォロー?した。