双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「優星君のお母さんに言われたの、私じゃ不釣り合いだって。それでも優星君と一緒になりたいと言うなら、お父さんの会社にも圧力をかけるとまで言われたの。そんなことを言われたら、身を引くしかなかったじゃない」

 一度言葉にすると止まらず、私が思うがまま泣きながら彼にぶつけた。

「空港でプロポーズしてくれて嬉しかったのに、嘘の返事をしたのがすごく苦しかった。やっとの思いで離れ、せめて交わした約束を守るために夢は叶えようとしたときに妊娠が発覚して……。好きな人との子供だもの、なにがあっても守ると決めたの。両親に縁を切られたってひとりで立派に育てて、いずれは夢も叶えたいと思っていたのに……どうして優星君は、約束通り迎えに来たの?」

 優星君がいなくても、私たちはそれなりに幸せに暮らしていたの。親子三人、明叔父さんたちとともに楽しくやっていたのに、なぜ今さら現れたりしたの?

 涙を拭うことなく訴え続けている間、優星君はなにも言わなかった。そして私の口が止まると、なぜか彼は嬉しそうに笑った。

「どうして嬉しそうなの? 私は怒っているんだけど」

 涙を拭いながら文句を言えば、彼は「ごめん」と謝りながらも笑っている。