双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 バカだな、星奈は。嘘だってすぐに見抜けるような顔で言われたって信じられるわけがないだろ?
 星奈がそこまで頑なに話してくれないのはどうしてなんだ?

 その言葉が喉元まで出かかったが、ぐっと飲み込んだ。きっと今聞いたところで答えてくれないだろう。だったら……。

「星奈は俺のことをもう好きじゃないとしても、俺は星奈のことが好きだ」

 愛の言葉を伝えてば、星奈の大きな瞳がまた悲しげに揺れた。

 嫌いだと言われて簡単に諦められるわけがない。

「だからまた星奈に好きになってもらえるよう、できる限り会いにくるよ」

「え? でも……」

 戸惑う星奈の手を再び強く握った。

「チャンスを与えてほしい。もう一度星奈と一緒に過ごす時間をくれ。もちろんただ会って話をしてくれるだけでいい。……お願いだからもう二度と黙って俺の知らないところに行かないでくれ」

「優星君……」

 ほかのなにかを失ったとしても、星奈だけは失いたくないんだ。安否をわからない、あのときと同じ不安や苦しい思いを二度としたくない。

 それにこうして聞いても話してくれないのなら、話してくれるまで待つまでだ。愛しい宝物とともにやっと見つけたんだ、なにがなんでも離さない。