双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「せいともデートするー」

「せなも」

 ギュッと俺にしがみつくふたりに、愛しさが込み上がる。
 本当はふたりっきりで話をするべきだが、こんな可愛い反応をされたら星斗と星七も連れて行きたくなる。

「いいの? 星斗と星七が大好きなお寿司屋さんに行くけど」

 佳代さんがそう言うと、ふたりの態度は一変。

「いくー!」

「おすし!」

 どうやら星斗と星七は寿司が好物のようだ。じたばたと暴れ出したふたりをそっと降ろすと、勢いよく明さんたちのもとへ駆け寄っていった。

 それを少し寂しく思いながらも、俺と星奈が落ち着いて話ができるように気遣ってくれてありがたい。

「星奈ちゃん、星斗と星七は俺たちに任せて香坂さんと一度ゆっくりと話したほうがいい」

「話が終わったら連絡をちょうだい。それまで帰らないから」

「すみません、ありがとうございます」

 星奈とともに明さんたちにお礼を言う。
 車に乗って嬉しそうに手を振る星斗と星七を見送り、星奈が案内してくれたのは三人が暮らす家。

「ごめんね、散らかっていて」

「いや、大丈夫だよ」

 玄関から続く廊下には星斗と星七のおもちゃが転がり、リビングにはパジャマが散乱している。
 それらを片づけながら星奈は俺を家に招き入れてくれた。