子育てはなにもかもが初めてで、本当にどれが正解なのかわからない手探り状態。育児書を読んでもわからないことのほうが多い。
 子供はひとりひとり個性を持っているんだもの。完璧な育児書などこの世にないのかもしれない。

 それを読むよりも、星斗と星七を一番近くで一緒に育ててくれているふたりに聞くほうが安心できる。

 食事を再開して少し経った頃、明叔父さんは私の様子を窺いながら聞いてきた。

「佳代といつか聞こうと思っていたんだが、星奈ちゃんはその……星斗と星七の存在を本当に相手に知らせないままでいいのか?」

 聞かれた言葉に手が止まる。そんな私に佳代さんも口を開いた。

「もちろん私たちは星奈ちゃんの気持ちを尊重するわ。でも星奈ちゃんが後悔しないか心配なのよ。……私たちは望んでも子供を授かることができなかったでしょ? 今でも時々思うの、子供ができたらこの人とどんな風に喜びを分かち合っていたんだろうって。嫌いで別れたわけではないんだもの、星奈ちゃんたちはその喜びを分かち合うことができるのよ?」

「佳代さん……」