「それは後でわかるよ。ほら、早くレストランに行こう。星斗と星七がさっきからお腹が空いたって言うんだ」

「そうだよね、いつもだったらとっくにご飯を食べている時間だもの」

 双子を連れて向かった先は最上階にあるフレンチレストラン。完全個室で双子も食べられる食事を用意してくれた。

「夜景が綺麗だね」

「あぁ」

 食事を終えた双子は、持参したスケッチブックにお絵かきを始めた。私たちは食後の珈琲をいただく。

「ごちそうさまでした。すごくおいしかった!」

「それならよかった。また何度も通おう。……ここは思い出の場所になるから」

「えっ?」

 意味深なことを言い、優星君はスーツの内ポケットから小さな箱を取り出した。蓋を開けて私の前に差し出された箱の中には、ピンクダイヤモンドがあしらわれた指輪が入っていた。

「三年前のプロポーズは、失敗に終わったからな。リベンジさせてくれ」

 そう前置きをすると、優星君は愛しそうに私を見つめた。

「星奈を想う気持ちは何年たっても変わらない自信がある。今度こそ絶対に幸せにする。星奈、俺と結婚してくれないか? ふたりで……いや、星斗と星七の四人で幸せになろう」

 優星君……っ!

 嬉しいプロポーズの言葉に、たまらず涙が零れ落ちた。

「は、い。……はい!」