彼が選んでくれたのはレースがあしらわれた黒のロングドレス。ドレスアップした姿を見ると、まるで自分ではないようだった。

スタッフに見送られてドレスショップを出ると、同じように着替えを済ませた優星君たちが待っていた。

「あぁ! ママ、きれーになってる!」

「ほんとうだぁ」

 私を指さしてそう言う双子もそれぞれタキシードとドレスを着ていて、写真を撮りたいほど可愛い。

「星斗はカッコいいし、星七は可愛いね」

私に褒められてふたりは照れくさそうに笑う。

「すごく綺麗だよ、星奈」

愛しそうに私を見つめる彼も黒のスーツを身にまとい、いつもにも増してカッコいい。

「優星君もすごくカッコいいよ」

「ありがとう」

 お互いを褒め合っていると、星斗と星七が「ママとパパ、らぶらぶー」と言ってからかってきた。

「そ、それで優星君、どうして今夜はここに?」

 こんなドレスアップまでして連れてきてくれたの?