すると私たちのやり取りを聞いていた星斗と星七が、スマホに向かって「パパ、はやくかえってきてねー」「まってるからね」と口々に言った。

『双子にわかったよって伝えておいて。じゃあ仕事に戻るから』

「うん、頑張ってね」

 通話を切ったスマホをバッグにしまい、双子と手を繋いだ。

「早く帰ろうか」

「うん!」

「かえろー」

 帰り道は双子としりとりをしながら楽しんで帰った。




「お疲れさまでした。どうぞ素敵なひと時をお過ごしください」

「あ、ありがとうございます」

 えっと、なにがどうなって私はここにいるんだろう。

 優星君が私たちを迎えに来て連れてきてくれたのは、都内でも有名な一流ホテルだった。しかしまさかこんな場所に連れてきてくれるとは夢にも思わず、場違い感半端ない服装を気にしていたら、優星君がこのドレスショップに連れてきてくれたんだ。

 どうやら事前にドレスを用意してくれていたようで、着替えはもちろん、ヘアメイクまで施してもらった。