「ママ、たのしーかった?」

「うん、楽しかったよ。今日はママにお休みをくれてありがとうね」

 実家からの帰り道、お礼を言うと双子は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「えへへー、よかったねせな」

「せいと、これからもママにおやすみをいーっぱいあげようね」

「そだね」

 なんて優しい子たちだろうか。と思うのは親ばかだと言われる? ううん、お互いの両親と交流を持ってからというもの、双子は明らかに変わった。一段と成長したと思う。

 きっと保育園に通い始めたら、もっとお兄ちゃんお姉ちゃんになっちゃうんだろうな。
 双子の成長は喜ばしいことなのに、それが寂しくも感じているとスマホが鳴った。

「あ、パパからだ」

「え! パパ?」

「なになに?」

 双子は立ち止まって早く私に電話に出るよう言う。

「はいはい、待ってて。……もしもし、優星君?」

『ごめん、急に電話して。ただ、ちゃんと星奈が今夜の約束を覚えているか心配でさ』

 今夜はずっと前から四人で食事に行く約束をしていた。それを私が忘れると思ったの?

「大丈夫、ちゃんと覚えているから。十八時には家に迎えに来てくれるんでしょ?」

『あぁ、急いで帰るから待っててくれ』

「わかったよ」