もしかして照れているの? 本当は双子に会いたいと思ってくれている?

「ありがとうございます。明日、四人でお邪魔させてもらいますね」

「変な気遣いは無用よ。手土産など用意しなくていいから。わかったら、早く帰りなさい。いくら実家に預けているとはいえ、母親がいつまでも不在にしたら子供は寂しがるわ」

「はい」

 言葉はとげとげしいけれど、優しさを感じるのは私だけだろうか。



「そうか、母さんがそんなことを」

「うん」

 この日の夕方、私は嬉しくて玄関先で帰宅したばかりの彼に今日の出来事を告げた。

「ママ、どーしたの?」

「いいことあったの?」

 不思議そうに首を捻る双子にも喜びを抑えきれずに伝えた。

「星斗、星七。明日はお出かけよ。もうひとりのじいじとばあばに会いに行くよ」

「もうひとりの?」

「じいじとばあばは、ひとりじゃないの?」

 混乱するふたりの姿が可愛くて、私と優星君は笑みがこぼれた。

「そうだ、じいじとばあばはひとりじゃないんだ」

 そう言って双子と同じ目線になるように膝を折ると、優星君はわかりやすいように話し始めた。

「星斗と星七が知っているのは、ママのパパとママだろ?」

「うん」

「明日会うのは、パパのパパとママなんだ」

「パパの?」

「パパにもいたの?」

 そんなことを言う星七に、私は笑いをこらえるのに必死。