双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「でも尾上さんのおかげで両親と会うことができたから、感謝するべきかな」

 前向きすぎる星奈が健気で愛おしくなり、たまらず抱き寄せた。

「両親が突然目の前に現れた時は、星斗と星七が一緒にいることも忘れちゃうくらい頭の中が真っ白になったの。……お父さん、ずっと後悔していたんだって。私たちのことを見守っていてくれたの。私、お父さんの期待を裏切ったのに……っ」

 声を震わせた彼女の強く抱きしめた。

「俺が一緒に暮らす前にご両親にちゃんと挨拶をしに行っていれば、もっと早くに誤解が解けていたはずだ。本当、段階を踏まずに星奈と一緒にいたい一心で動いた俺が悪かった」

 まずは星奈の心を引き戻すことで頭の中がいっぱいだった。それよりも先にするべきことがあったのに……。

「ううん、私から両親に会いに行く機会はいくらでもあったのに、行かなかった私が悪いの。勇気を出して会いにいけばよかった」

 ズズッと鼻を啜り、彼女は続けた。