双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「話はわかった」

「そうね、どうして星奈がひとりで出産し、今になって香坂さんがあなたたちを迎えに来たのかも理解できたわ」

 ご両親の言葉を聞き、星奈と顔を見合わせてホッとしたのもつかの間、すぐさまお父さんが厳しい口調で言った。

「だからといって、今の香坂さんに星奈と孫たちを任せることはできません。その意味をあなたならわかっていただけますよね?」

「……はい」

 早く会いたい一心だったとはいえ、母さんの説得も、美野里の存在も曖昧にしたまま星奈を迎えに行った俺が悪い。

「早急に母親を説得し、婚約者とは結婚できないことをはっきりさせるつもりです」

 ご両親に告げ、隣に座る星奈に目を向けた。

「悪かったな、星奈。美野里が来てつらい思いをさせたよな。……気づいてやれなくてごめん」

 もう二度と悲しい思いもつらい思いもさせない、なにからも守ってみせると約束したのに、俺はいったいなにをやっているのだろうか。

 自分を責めていると、星奈は大きく首を横に振った。

「ううん、尾上さんが来たことをすぐに言わなかった私も悪いの」

「いや、星奈はなにも悪くない。すべて俺の責任だ」

 彼女の背中を撫でて宥め、再びご両親を見つめた。