双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 ご両親の星奈に対する愛情がヒシヒシと伝わってきて苦しくなる。

 今の俺には星奈と双子を任せられないと思って当然だと思う。だからといって星奈たちを失うわけにはいかない。

「待って、お父さんお母さん!」

 話を聞いてほしいとお願いするより先に、星奈が割って入ってきた。彼女は手にしていたトレーを庭先にあるテーブルに置き、急いで俺たちのもとへ駆け寄る。そして俺とご両親の間に立った。

「誤解なの」

「誤解って……どういう意味だ?」

「それをちゃんと説明させて。星斗と星七もびっくりしているから、あっちでゆっくり座って話を聞いてほしい」

 星奈に言われて双子を見ると、彼女の言う通り急に大きな声を上げた俺たちにどうしたらいいのかと、オロオロしていた。

「ごめん、ふたりとも。びっくりしたよな」

 すぐに安心させるように双子を抱き上げ、そのままご両親を見つめた。

「どうか一度、俺の話を聞いていただけませんでしょうか? お願いします」

 願いはご両親に届いたようでベンチへと移動し、俺たちの話を最後まで口を挟まずに聞いてくれた。
 その間に双子は、星奈が用意したジュースやお菓子を美味しそうに頬張っていた。