双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 そしてすぐさまふたりと対峙したが、見覚えのある顔にたじろぐ。

 もしかしてこのふたりは、星奈のご両親じゃないか?
 一度だけしか会ったことがないからうろ覚えだが、どことなく星奈と似ている。しかし確信が持てず様子を窺っていると、男性が厳しい目を俺に向けた。

「一度お会いしたことはありますが、こうしてちゃんとご挨拶をしてはいませんでしたね。星奈の父です」

「母です。すみません、ご留守中に押しかけてしまい」

 やっぱり星奈のご両親だったのか。
 丁寧に頭を下げた二人に、俺も慌てて挨拶をした。

「本来なら星奈さんと同棲する前に伺うべきところだったのに、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。香坂優星です」

 双子とともにふたりのもとへ駆け寄り、それぞれを地面に下ろして名刺を取ろうとしたが、「名刺なら結構です」と断られてしまった。

「お前のような男に大切な娘と孫を任せておけませんので、連れ帰るつもりです」

「えっ? ちょっと待ってください。どういう意味ですか?」

 そもそもなぜ彼女のご両親が突然うちに来た? 星奈とは縁を切って以降一度も会っていなかったはず。
 それに俺のような男とは、どういう意味だ?

 困惑する俺に、母親が説明してくれた。