両親に会う前に、優星君には親子の縁を切られていると折を見て話そう。

そう心に決めて顔を上げると、愛しそうに私を見つめる彼と目が合う。

「好きだよ、星奈」

「……私も」

 トクン、トクンと胸の鼓動が速くなるのを感じながらゆっくりと瞼を閉じようとしたんだけれど……。

 私と同じように優星君も視線を感じたようで動きが止まる。
 恐る恐る感じるほうを見れば、瞬きもせずにジーッと私たちを見つめる双子がいた。

「どーしたの? ちゅーしないの?」

「えっ!?」

 星七に言われ、私と優星君は慌てふためく。

「していいよ。せいととせな、みてないから」

「うん、みてない」

 小さな手で目を隠すものの、指の隙間から私たちの様子を窺っている。

 その姿が愛らしくて、私と優星君は声絵を上げて笑ってしまった。

 まだ問題は山積みだし、解決の糸口すらない。でも不思議と不安はなかった。こうして一緒に笑い合える大切な存在がいるから。

順番は逆になってしまったけれど、私たちは夫婦となり、そして親となり、家族となる。愛しい双子の天使とともに。