双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「パパー、次はどこいくの?」

「着いてからのお楽しみ」

 そう言って優星君が私たちを連れてきてくれたのは、意外な場所だった。

「ここ……」

「懐かしいだろ?」

 車から降りると優星君は得意げに言った。

「……うん、すごく懐かしい」

 そこは優星君と付き合ってから初めてのデートで来た水族館だった。
 最初のデートはすごく緊張したよね。でも優星君は余裕たっぷりでそれがちょっと悔しくもあった。

 でもそれを伝えたら、平静を装っていただけで優星君も緊張していたみたいで、思いっきりふたりで笑った後は楽しむことができたんだ。

 昔の甘酸っぱい思い出に浸っていると、優星君は水族館を前に興奮している双子に声をかけた。

「ここはパパとママの思い出の場所なんだ。星斗と星七を初めて連れていくなら、絶対ここと決めていたから、こうして連れてくることができて嬉しいよ。あとはふたりが楽しんでくれたらいいんだけど、イルカやペンギンは好きか?」

 不安げに聞いた優星君に、星斗と星七は笑顔で首を縦に振った。

「うん、だいすきー」

「パパはやくいるかさんみたい」