双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 私の思いは伝わったのか、優星君は眉尻を下げた。

「そういえば昔、言っていたよな。厳しく育ててくれた両親に感謝しているって。でも星斗と星七にパパは嘘つきだって思われたくないし……」

 思い悩むこと数秒、優星君は打開策を提案してきた。

「こんなに買ってあげるのは、今回だけにするよ。それと今日買ったものを大切にするように、ふたりにちゃんと言い聞かせる」

 いいのかな? それで。でも双子もすっかり舞い上がっているし、今さら買わないって言ったら大泣きしてお店の人たちに迷惑をかけそうだ。

「いいだろ? 星奈。これまで買ってあげられなかった分を買ってやりたいんだ。お願いだ」

 うっ……! それを言われると弱い。

 ただならぬ空気を察知したようで、星斗と星七まで優星君の真似をして私に向かって手を合わせる始末。これじゃダメとは言えないよ。

「わかったよ、じゃあ今回だけだからね」

 私がそう言うと、優星君たちは目を輝かせた。

「ありがとう、星奈」

「よかったねーパパ」

 事情を知らない星斗と星七は優星君にそんなことを言うものだから、思わず声を上げて笑ってしまった。