双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 私に言われて星斗は悩み出した。これはひとつに決めるまで思いのほか時間を要するみたいだ。この分だと星七も同じ状況なのかもしれない。

 急かすことなく星斗の答えが出るまで待っていると、上機嫌の星七がやって来た。

「ママー!」

「星七」

 勢いそのままに私に飛びついてきた星七を抱きしめる。そして後から優星君が来たわけだけど、彼が押しているカートの中を見て目を疑った。

「え? ちょっと待って。なにそのおもちゃの数は」

 お人形におままごとセット、アクセサリーが作れるキッドなど多くのおもちゃが入っていた。

「すごいんだよ、ママ! パパねーせながほしーの、ぜんぶかってくれるの」

身振り手振り説明する星七は、初めての経験にだいぶ興奮している。

 嘘でしょ、優星君。本気で星七が欲しいって言ったおもちゃを全部買ってあげるつもり?

唖然とする私を追い越して、優星君は頭を悩ませている星斗に声をかけた。

「その様子だと星斗も欲しいものを決めかねているようだな。星斗、欲しいおもちゃを教えてくれ。全部買ってあげるから」

「ほんとー? やったー!!」

 これには星斗も大喜びして、優星君の手を引っ張った。