双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 可愛らしい歌声を聞きながら、優星君に「どこに行くの?」と尋ねる。

「まずは約束通りおもちゃを買いに行こうと思う。そのあとは、星奈にも内緒」

「え? 私には教えてくれてもいいじゃない」

「だめ。楽しみが半減するだろ?」

 たしかに優星君の言う通り聞いたら楽しみが半分減っちゃうかも。

「じゃあすっごく! 楽しみにしてる」

 強調して言えば、彼は困り顔を見せた。

「星奈にもそんなに期待されるとプレッシャーなんだけど」

「優星君なら私と双子が喜ぶところに連れていってくれると信じているよ」

 追い打ちをかけるように言ったら、優星君は左手でポンと私の頭に触れた。

「おもしろがってるだろ?」

「バレた? 昨日からかわれた仕返しだよ」

「大きな仕返しだな」

 そんなやり取りをしながら、どちらからともなく笑ってしまう。

 車を走らせること約一時間、関東で最大級のショッピングモールにやって来た。オープン時間を迎えたばかりだというのに、入り口から近い駐車場はけっこう埋まっている。それでもどうにか近い場所に車を停めることができた。