双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「もう、優星君? 食事中にからかわないで」

「俺はからかっているつもりはないよ。本当のことを言っただけ。一緒に暮らせているだけで幸せなんだ」

 甘い言葉に顔だけではなく、身体中が熱くなっていく。

 でもそれだけじゃなくて、優星君が私たちとの暮らしに幸せを感じてくれているのが嬉しくもある。だって私もすごく幸せだから。

 優星君と星斗と星七と四人で暮らして、何気ない日常を過ごすことは絶対に叶わない夢だと思っていたもの。

「明日は初めて四人で出かけるし、双子にとって思い出に残る一日にしてやりたいな」

 双子を優しい眼差しで見つめる優星君からは、会って間もない星斗と星七をすごく愛していることが伝わってくる。

 だからこそ二年もの間、双子の存在を知らせずにいたことが優星君にはもちろん、星斗と星七にも申し訳なくもなるんだ。

 私の身勝手な思いのせいで、一緒に過ごす時間を奪ってしまったのだから。

「ごめんね」

 思わず口をついて出た謝罪の言葉に、優星君は目を瞬かせた。

「どうしたんだ? 急に」

「私のせいで、優星君と星斗と星七が一緒に過ごせるはずの時間を奪っちゃったから」

 仲睦まじい三人の姿を見るたびに何度も胸を痛めていた。

「それは違うよ、星奈」

 力強い声で言うと、優星君は真剣な瞳を私に向けて続けた。