双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「じゃあ絵を描いてくれたお礼に明日はみんなでお出かけしよう」

「えっ! おでかけ?」

「どこにいくの?」

 目をキラキラさせて興奮させる双子に向かって優星君は人差し指を立てた。

「それは明日、着いてからのお楽しみ。でも星斗と星七が喜ぶところだぞ?」

「うわあ、どこだろー」

「たのしみー」

 大喜びする双子に聞こえないよう、私は声を潜めた。

「大丈夫なの? 仕事で疲れていない?」

 心配で聞いたものの、優星君は首を横に振る。

「疲れていないから大丈夫。ずっと星斗と星七をどこに連れていこうかと週末が来るのを楽しみにしていたんだ。もちろん星奈も一緒に行くんだからな?」

「それはもちろん行くけど……」

 本当に大丈夫なのかな? 無理させている気がしてしまう。

「星奈が心配してくれるのは嬉しいけど、俺なら平気。イギリスにいた頃に比べたら忙しくないし、睡眠時間も十分とれているから」

「そうだったの?」

「あぁ、向こうに行っている間は目まぐるしい日々だったよ。それに比べたら今は楽だし、苦じゃないんだ。家に帰ったら星奈たちがいて、三人にハグをしてもらえたら、一瞬で疲れも吹き飛んでいるし」

 からかい口調で言われて顔が熱くなる。