双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

 少しして離れれば、待ってましたと言わんばかりにまた双子が優星君に抱きついた。

「パパ、もっかいだっこ!」

「せいともだっこ!」

 そんな双子に優星君はクスクスと笑う。

「わかったよ、おいでふたりとも」

 抱き上げられた双子は、優星君の頬に自分の頬をすりつけている。

 彼が帰ってきたら〝おかえりのハグをする〟のが始まったのは月曜日からだった。

 仕事から帰ってきた優星君を双子は今のように熱烈に歓迎し、抱きついてなかなか離れなかった。

 仕事から帰ってきたばかりで疲れている優星君に申し訳なくなり離そうとしたら、なんの突拍子もなく双子が言ったんだ。「ママもパパにぎゅってしてあげて」って。

 話を聞いて最初は私も優星君もびっくりして固まっちゃったけど、純粋な双子の期待を裏切るわけにはいかなかった。優星君も途中からおもしろがっていたしね。

 抱き合う私たちを見て満足した双子は、それからというもの私たちにハグを要求するようになった。

「すごいいい匂いがするな」

「あ、今夜はハンバーグにしたんだ」

 双子を抱っこしていてバッグを持てない彼の代わりに持って廊下を突き進む。