そしてしばらく見ていると気づいたことがある。ましろんはなんと小説コーナーのほとんどの本棚をを見ているのだ。


「全部見るの?」


そう聞くと「すみません、急ぎます」ハッとした顔をして俺に言った。

急いでるわけではないので「ゆっくりみていいんだよ。気にしないで」

そういうとましろんは「待たせるのは悪いです」と言って本を選び始めた。

ましろんが手に取った本は俺も知ってる本だった。


「あれ・・・その本・・・」

「知っているんですか?」

「昔読んだことのある本だよ」



ましろんは少し目を輝かせて「面白かったですか?」そう聞いてきた。

なので俺は少し考え「面白いんじゃないかな」そう答えた。

ましろんは頭に?を浮かべていた。

そうなるだろう。
読んだことがあるのにあやふやな回答をしたのだから。

ましろんはその後「では、私も読んでみます」と言って会計に向かった。