翌朝、早くに目が覚めたちえりはベッドの中でひとり考え事をしていた。
(そうだ……、三浦さんになんて謝ろう……)
これから先、瑞貴との幸せな毎日が待っているに違いないと胸が踊る反面、自分が傷つけてしまった彼女のことが頭から離れない。
(言い方に気を付けないと……)
自分がそんなつもりじゃなくても、そう聞こえてしまったということは本当に申し訳なく思う。
そしてあの場にいた皆にも迷惑をかけてしまった。
(……ほんと、私のこういうところが嫌い。居なくなってしまいたい……)
自分が居なければさぞ楽しい鍋パーティーだったに違いない。
仲良しメンバーの空気を悪くし、仲違いさせてしまった自分に嫌悪感ばかりが募る。
隣に瑞貴が眠っていることも忘れ、世界から隠れるように勢いよく掛け布団を頭から被った。
「……チェリー? 具合悪い?」
布団を頭から被ったちえりをタイミング悪く目撃してしまった瑞貴の心配そうな声が聞こえた。
「……っ! ううん! おはようございます。センパイ」
そろそろと顔を出したちえりを目を丸くした瑞貴が見下ろしている。
起き抜けにも関わらず、爽やかで涼し気な笑みを見せてくれる皆の瑞貴はもう、ちえりだけの王子様だ。
「そっか、よかった。おはようチェリー」
瞼に優しく唇を寄せてくれる瑞貴の愛に包まれていると勇気が湧いてくる。
(このひとの笑顔を曇らせちゃダメ。ちゃんと三浦さんに謝らなきゃ)
「せっかく早く目が覚めたついでに外でモーニングしてから会社行かない?」
「あ、いいですねっ」
「じゃあ決まり! それじゃあまずは……チェリー、思いっきりハグさせて」
「え?」
ちえりが答える間もなく瑞貴の大きな腕が背中にまでまわって、互いの体温が同じになるくらい密着すると――
「好きだよチェリー」
胸の奥深くまで届くような優しい声で愛を囁かれた。
「私もです。センパイ……」
瑞貴の広い背へと手を伸ばして抱きしめ返すと、安心したように体から力が抜けていく瑞貴。
「……うん。よしっ! 朝の充電完了! 準備するか」
「はいっ!」
笑顔いっぱいで始まる一日のなんて幸せなことか。
ふたり揃って玄関のドアを出て、鳥頭の部屋の前を通過する。
(鳥頭にも感謝。いつもアイツに助けられてる)
「会社の途中にある店でいいよな?」
「うんっ!」
颯爽と歩く瑞貴と肩を並べてエントランスを過ぎると――
(そうだ……、三浦さんになんて謝ろう……)
これから先、瑞貴との幸せな毎日が待っているに違いないと胸が踊る反面、自分が傷つけてしまった彼女のことが頭から離れない。
(言い方に気を付けないと……)
自分がそんなつもりじゃなくても、そう聞こえてしまったということは本当に申し訳なく思う。
そしてあの場にいた皆にも迷惑をかけてしまった。
(……ほんと、私のこういうところが嫌い。居なくなってしまいたい……)
自分が居なければさぞ楽しい鍋パーティーだったに違いない。
仲良しメンバーの空気を悪くし、仲違いさせてしまった自分に嫌悪感ばかりが募る。
隣に瑞貴が眠っていることも忘れ、世界から隠れるように勢いよく掛け布団を頭から被った。
「……チェリー? 具合悪い?」
布団を頭から被ったちえりをタイミング悪く目撃してしまった瑞貴の心配そうな声が聞こえた。
「……っ! ううん! おはようございます。センパイ」
そろそろと顔を出したちえりを目を丸くした瑞貴が見下ろしている。
起き抜けにも関わらず、爽やかで涼し気な笑みを見せてくれる皆の瑞貴はもう、ちえりだけの王子様だ。
「そっか、よかった。おはようチェリー」
瞼に優しく唇を寄せてくれる瑞貴の愛に包まれていると勇気が湧いてくる。
(このひとの笑顔を曇らせちゃダメ。ちゃんと三浦さんに謝らなきゃ)
「せっかく早く目が覚めたついでに外でモーニングしてから会社行かない?」
「あ、いいですねっ」
「じゃあ決まり! それじゃあまずは……チェリー、思いっきりハグさせて」
「え?」
ちえりが答える間もなく瑞貴の大きな腕が背中にまでまわって、互いの体温が同じになるくらい密着すると――
「好きだよチェリー」
胸の奥深くまで届くような優しい声で愛を囁かれた。
「私もです。センパイ……」
瑞貴の広い背へと手を伸ばして抱きしめ返すと、安心したように体から力が抜けていく瑞貴。
「……うん。よしっ! 朝の充電完了! 準備するか」
「はいっ!」
笑顔いっぱいで始まる一日のなんて幸せなことか。
ふたり揃って玄関のドアを出て、鳥頭の部屋の前を通過する。
(鳥頭にも感謝。いつもアイツに助けられてる)
「会社の途中にある店でいいよな?」
「うんっ!」
颯爽と歩く瑞貴と肩を並べてエントランスを過ぎると――



