「遥稀は今何してるの?
 仕事とか」


「両親が経営しているカフェで働いてる」


「そっか、
 後継いでるんだ」


「後を継ぐ、
 そこまでいくかどうかはわからないけど」


 話すことができている、松尾と普通に。


 そのことが。
 少しだけ。
 ううん。
 すごく嬉しいみたい。


「今度、遥稀の店に行く」


「なんだか少し恥ずかしい」


「なんで」


「なんでだろう」


 本当は。
 わかっている。

 照れるから。
 松尾が店に来ること。


「なんだよ、それ」


 笑顔の松尾。


 そんな松尾に。
 私も笑顔。