どうしよう、私いまどんな顔をしてるんだろう。


「チー、意識してるのバレバレだよ」


意識なんてお兄ちゃんに対してそんなことするわけない。


しちゃいけないことだもん。


でもどうしてそんなに追い詰めてくるの?


私の心の中を全部暴こうとするみたいに。


わざと、誘惑するような真似をして。


こんなのいつものお兄ちゃんじゃない。


「お兄ちゃんのばか」


思い出して、お兄ちゃんだってことを。


忘れないで私達が兄妹だってことを。


「……」


「こんなの駄目なんだから」


「……」


兄はなにも言わずにさらに強く抱きしめてくる。


筋肉質な胸に顔をうずめていたらますます身体中が熱くなってきて。


翔くんの身体もこんなに熱い。


どうしょう、普段から慣れ親しんだ彼の香りに包まれると安心して。