「それでね、西原くんたら歌ちゃんのことをやせの大食いとか言うんだよ。そう言ってるのが歌ちゃんにバレちゃってもう大変だったの」


その日、私はいつものように兄と一緒に帰りながら今日の自分のクラスでの出来事を話していた。


朝は矢代さんの運転する車で送ってもらうんだけど、帰りはなんとか断ることが出来て今でもこうして二人きりで電車で帰っている。


今日は特に面白い話題があって早く兄に話したくて仕方がなかったんだ。


きっと兄もウケるに違いないって思ったから。


彼はいつも私の話を興味深そうに聞いてくれるのでどんなことでも話しやすい。


「へえ、それからどうなったの?」


「それがね、ウフフ、西原くんが……アハハ」


ついつい思い出して全部話す前に笑ってしまった。


「これすっごく面白い話で……フフフ」