今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

「チーはヤキモチ妬きだからな」


見透かしたようにクスッと笑われたから顔が熱くなる。


「ち、違うもん」


「そう言えば中学の時に女友達を家に連れてきたらチーに凄い泣かれたんだよな」


「……っ」


うーっ、そんな昔のことをまだ覚えているんだ。


でもそれをネタにたまにからかってくるからひどい。


友達だって言ってたけど、あれは当時少しだけお付き合いしていた彼女だって私知ってるんだから。


だってあの時は、ほんとに苦しくて寂しくて死にそうだったんだよ。今でもあの時のことを思い出すだけで泣きそうになってしまうんだから。


「あれは昔のことです。今の私はあの頃とは違いますから」


なぜか敬語で反論してしまった。


「嘘つく時は敬語になるからバレバレだよ」


ヨシヨシと頭を撫でられて子ども扱い。