「私のことをもっと頼ってね。だってもう妹じゃなくて彼女だもん」


「チー」


「私だって翔くんを守りたいの」


「ありがとうチー、俺のそばにいてくれるだけで充分なのに、そんな風に思ってくれるんだな」


彼は瞳を細めて愛おしそうに見つめる。


もう一度、強く抱きしめ合った。


この恋を守るためになんでも出来るような気がした。


彼の逞しい胸にもたれかかると心臓の鼓動が騒がしく聞こえる。


その時、翔くんのポケットにあるスマホが鳴ってハッとして顔を見合わせる。


父からだった。


彼は私に大丈夫だよって言ってから、スマホをタップして凛とした声で話し始めた。


「もしもし、父さん?うん、そう。
今、チーと一緒にいるよ」