今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

「うん、怒ってはいない。本当はこんな時、兄貴としては怒らないといけないのかもしれないけど……。
そんな可愛いことを言われたら怒れないよ」


困ったようにちょっと笑う。


私のことを見つめるその瞳は凄く優しい。


「……」


「チーには寂しい思いをさせてたし……。俺のせいだよな……」


「……う、うん、だけどねそれだけじゃないの」


「まだ他に理由があるのか?
しばらく休んだら矢代さんに連絡して車で迎えにきてもらおう」


兄は私のわがままにも冷静に対応しようとしてる。


確かに矢代さんに迎えに来てもらえばすぐにでも家に帰れる。


でもそれじゃあ意味がないの。


「待って、そうじゃなくて」


「え?」  


「ええとね……私」


「どうした?」


兄は不思議そうに私を覗きこむ。


さすがにこれを言うのは恥ずかしいな、でもちゃんと伝えなきゃ。