「うん」 


「頭も?」 


「うん、大丈夫。どこもなんともないよ」


「なら、よかった」


彼はホッと安堵したようだ。


騙して心配させてしまったっていうのに、彼は怒ってはいないみたい。


だけど、申し訳なくてもう一度謝った。


「ごめんね、薬までもらってきてくれたのに」


「いや、でもチーがこんな思い切ったことをするなんて、びっくりしたよ」


「帰りのバスはまだ出発してない?」


恐る恐る尋ねた。


「ああ、先に帰ってもらったよ。俺が残って妹の看病をしますって言ったら先生も納得してくれた」


「そっか、よかった」


さすが彼は生徒会長だけあって、先生からの信頼は絶大みたい。


やったね。


とりあえずは、バスに乗せられて強制送還されることは無さそう。


「怒ってない?」