「あいつら絶対シメてやる」


「まだ言ってる……誰をシメるの?」


「チーのことを悪く言った奴をだよ、ちゃんと顔は覚えてるから」


彼は忌々しそうに唇を噛む。


「もういいんだってば」


「でも俺の気がすまない」


さすがに呆れて笑ってしまいそうになった。


でも、そんな彼のことも愛おしく思った。


「あんなのいちいち気にしていたらキリが無いもん。私は平気だよ」


「……チーがそう言うなら」


結局、彼はしぶしぶ私に同意してくれたのでホッと胸を撫で下ろす。


あの後、私と兄は旅館の私の部屋に戻ってきていた。


女子の4人部屋だけど、他の子たちは海水浴を楽しんでいて誰もいない。


兄と二人きりで話すチャンスだ。


「あのね……私、翔くんと……きゃっ」


彼は着ていたTシャツをいきなり脱ぎだしたのでびっくりした。