大好きな彼の名を呼んで立ち止まった。


スタイルがよくて目立つ2人。


翔くんと愛華さんだった。


「え、まじかよ。どうして他の女といるんだろう?」


西原くんが不満そうに言う。


「……」


合宿の5日目にようやく現れたと思ったら、よりによってまた愛華さんと一緒にいるなんて。


もしかしたら彼女とはちゃんと連絡を取り合っていたんだろうか。


そう思ったらなんだか、モヤモヤする。


「チー」


兄は私達に気が付いて真っすぐにこっちへ歩みをすすめてきた。


愛華さんも隣にいるけど、今日は彼にベタベタしている雰囲気じゃなかった。


紺色の大人っぽいビキニを身に着けていて悔しいけどよく似合っている。


「お……兄ちゃん」


「何してるんだ?」


彼と顔を合わせたその時、ちょっとびっくりした。