「ああ、あの……まだ少し迷ってるけど。
その方がいいかなって」


「はあ？何よそれ？ちゃんと説明しなさいよ」


「いやだから、顧問に辞めたいって相談したら考え直せって言われて。
それでも迷っていたら、しばらくマネージャーでもやらないかって誘ってくれたから」


「信じらんない。どうして辞めたいなんて言ったの？」


「それは……」


「ちょっと歌ちゃん落ちついて」


歌ちゃんは今にも噛み付かんばかりの勢いで石野くんの胸ぐらを掴んでいる。


にもかかわらず石野くんはうっすらと頬をそめていて。


あれ？どうしてかなって思ったけど。


もしかしてビキニ姿の彼女と顔をくっつけんばかりに近づいているせいかもしれない。


そう言えばさっきから彼女の方を見ないようにしていたのって照れ臭いせいもあったのかも。


結構、シャイな性格なのかも。
それにやっぱり彼女のことを凄く意識しているんだなって思った。