「邪魔も何もあの2人すっげー険悪そうじゃん。
それに、早くあそこに座らせてもらおうよ。瀬戸さんの体が心配だから」


気遣うようにそう言って私を見つめる彼。


「ありがと、西原くんってほんとに優しいんだね」


「まあね、瀬戸さん限定だけどね」


「え?」


「いや、今は俺のことはいいや」


恥ずかしそうに目線をそらされた。


西原くんの態度も気になったけど、今は歌ちゃんが先だ。


「歌ちゃんっ」


呼びかけると、彼女はビクッとしたように顔を上げる。


「あれ、千桜」


「急にいなくなるからびっくりしたよー」


「ごめん、ごめん」


申し訳なさそうに謝ってくれたけど、ぎこちない表情。


「ほら早く瀬戸さん座らせてもらいなよ」


「え、千桜どうかしたの?」


「ちょっと暑さにやられちゃってるみたいで」


すかさず西原くんが代わりに答えてくれた。