「ほらね、もういつも通りだから」


「瀬戸さん……わかったよ、しんどくなったら俺に言いいなよ」


呆れたようにため息をつかれたけど、ついてきてくれるみたいだ。


「うん……ありがとう」


熱い砂浜を踏みしめてゆっくりと歩いた。


ビーチサンダルを履いていても足元から熱気が伝わってくる。


照り返しもかなりきつい。


早く海にでも入れば少しはましになるのかもしれないけどそんな暇はない。


何だか嫌な予感がして仕方がないんだ。


昨日まで石野くんのことをあんなに避けていた歌ちゃん。


まさかとは思うけど喧嘩なんてしてないよね。


「きゃっ」


「あぶないっ」


砂に足を取られて転びそうになったけど、西原くんがまた私の腕を掴んで助けてくれた。


「ごめん」


ううっ、情けないけどこの間から彼の前で、醜態を晒しまくり。


「いや、けど今にも倒れそうで危なっかしいから手を繋ぐよ」