それから何の進展もないまま合宿5日目がやってきた。


最終日の今日は自由に旅館近くの海で海水浴を楽しんでいいことになっていた。


海に来たのは何年ぶりだろう。


子供の頃に家族旅行で行ったきりかもしれない。


この海水浴場は私達の学校以外の人たちはほとんどいなくて貸し切り状態だった。


太陽の光を反射したコバルトブルーの海面が眩しいくらいに綺麗。


「最高の眺めだね」


「やったー、4日間の地獄からやっと解放されたー」


「うおー泳ぐぞ」


波打ち際から、はしゃぎ声が聞こえる。


勉強から解放されてみんなイキイキしていて楽しそう。


やっぱり女子はほとんどがビキニ。


みんな気合いが入っていてそれぞれの魅力が引き立っている。


私も兄とのデートの時にこっそり選んだビキニを着てみたけど、やっぱりちょっと恥ずかしくてラッシュガードを上から羽織っていた。


脱がないで、ずっとこのままでいようかな。


日に焼けるとすぐに赤くなってヒリヒリ痛くなってしまうから気をつけるように兄にも言われているし。


それに買った時、彼に必ず1番最初に見せるって約束したんだっけ。


あれから、それどころじゃなくなってうやむやになっちゃってたけど。


私だって出来ることなら彼に1番最初に見てもらって感想を聞かせてもらいたかったな。


だけど、彼はここにはいない。