「千桜ーお待たせ―」


「歌ちゃーん会いたかったよう。試合に出てたんだってね。お疲れ様」


「ありがとっ、私も千桜に会いたかった」


3日目の朝、合宿先の旅館の玄関の前で待っていたらバレー部一行のバスが到着した。


専用バスからは背の高い生徒たちが降りてきていた。


いかにもスポーツマンって感じでカッコよく見えた。


石野くんの言っていた通りならこの人たちは2、3年生を中心とするレギュラー選手ばかり。


先輩たちの中に混じって試合に出ている歌ちゃんはやっぱり凄いな。


歌ちゃんは私が待ち構えていたことに驚きながらも再会を喜んでギュッと抱きついてきた。


「西原くんから聞いてるよ。千桜が元気がないみたいだって。心配してたんだから」


歌ちゃんは心配そうに私を見つめて優しく微笑んでくれた。


「う、うん。そうなんだけどね。私のことよりも……」