「先生ったらひどいよ……スマホを没収するなんて」


課題提出が一番遅かった罰として、スマホを取り上げられてしまった。


もう踏んだり蹴ったり。


「瀬戸さん、そんなに落ち込まないで」


しょんぼりしていたら西原くんが慰めてくれた。


さっきから彼に気を使わせてしまってばかり。


多大な迷惑をかけている気がしてほんとに申し訳ない。


でも、どうしても愚痴らずにはいられなかった。


「落ち込むよ。だってお兄ちゃんからもし連絡があってもすぐには出られないんだよ。
こっちからかけることも出来なくなっちゃったし」


「それなら、俺のスマホを貸してあげようか」


「でも、お兄ちゃんの電話番号を覚えてないもん」


自分でも情けないけど、口を開けばお兄ちゃんお兄ちゃんって言ってる私ってかなり鬱陶しいだろうなって思う。