なんだ、いつもどおりの愛華さんだ。


さっきのしおらしい雰囲気とは打って変わって尊大な態度。


冷たい目で私を見据えている。


「隣の生徒会室にいるよ。でも今は話し合いをしているみたいだから」


「ふうん」


「……」


「ここで何してるの？生徒会のメンバーじゃないんでしょ？」


「お兄ちゃんと一緒に帰ろうと思って待ってるんだよ」


私も精一杯ツンとした表情をつくって彼女と目を合わさないで返事をした。


「……そう」


「いいわね、一緒に住んでたら毎日一緒に登下校できて」


「う、うん。まあ」


羨ましそうにそう言われたので曖昧に返事をした。


「ねえ、お兄ちゃんと一緒に暮らすのってどんな感じ？」


「へ？」


「きっと楽しいんでしょうね」


私にしたら兄と一緒に暮らすことは日常だしなんて答えたらいいかわからない。


見れば彼女はこっちを見て薄く笑っている。