「は、恥ずかしいし」


「少しづつでいいから」


私の反応に困った顔をする彼。


「彼女なんてまだ無理だよ」


「どうして?」


「だってなんだか変な感じ」


「全然変じゃないって、そんなこと言うなよ」


さっきまでの甘いムードを壊してしまったかもしれない。


でももう、恥ずかしさの限界だったから覆いかぶさる彼から逃げるように起き上がった。


もうこれ以上こんな体勢でいたら心臓が持たないよ。


「う、お兄ちゃんなのに彼氏ってことだよね。やっぱり変だよそんなの」


恥ずかしさをごまかすようにフフって笑った。


まだ、翔くんのことを兄として見ている自分がいてやっぱり照れくさい。


「変じゃないっ」


彼は拗ねたように反論して、残念そうに身を起こした。


「チー、もう一度言うよ。俺の彼女になって」


「……」


「これまで以上に大切にする」


翔くん、凄く真剣な顔。


私のことを本当に好きでいてくれてるんだ。