今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

え?まさかの脅し?


無茶苦茶なことを言って説得してきたからビックリした。


「え?よくわかんないよ。翔くんったら」


「つまり、今どうしてもキスしたいってこと」


冗談を言ってるのかと思うけど、いたって真剣な顔。


「チーに会えなくて頭が故障しちゃったみたいなんだ、治療して」


「治療ってまさか……」


恐る恐る尋ねた。


「キスしたら治る」


なにがなんでも私とキスしたいってことみたい……。


あんまり必死な彼の様子にほんの少しほだされてしまった。


唇にしなければセーフなんじゃないかなってついついそんな緩い気持ちになって。


「じゃ、じゃあほっぺならい」


いいよって言う前に頬に柔らかい感触がした。


ちゅって小さく音をたてて軽くキスを落とされた。


そしてすぐに反対の頬にも唇が触れる。


その間、ぼんやりしながら彼の肩のあたりをぎゅっと掴んでいた。