今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

私の首筋に顔をうずめる兄。


「チーの匂いも大好きだ」


「やだ、におい嗅がないでっ」


「いいじゃん、ちょっとだけ」


「エッチ」


「そうだよな、ごめん」


謝ってはくれるけど全然やめてくれない。


「エッチなのは認める。
だけどチーに対してだけだから許して」


「認めるって……」


開き直られても困るけど、私に対してだけならいいのかな。


いやいやなにを納得してるんだか。


と思っていたら、兄は更に甘い声で尋ねてきた。


「キスしていい?」


「それは……」


思わずフルフルと小さく首を横にふる。


それはマズイよ、私たち兄妹なんだから。


だけど彼は引き下がらない。


「でも、今どうしてもしたい」


「おかしいよ、今日の翔くん。いつもはそんな無理言わないのに」


「二日間も会えなかったから、キスしないとたぶん俺の心臓は止まると思う。
チーは俺が死んだら悲しいだろ?」