今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

あれ、でも違うのかな。あの時私どういうつもりであんなことを言ったんだろ。


いずれにしろ、私のさっきの発言が兄のなんらかのスイッチをオンにしてしまったみたい。


「でもチー嬉しそうだよ」


見透かしたようにフ、って笑われた。


「嬉しくなんて」


さっきまで怒った顔を必死で作ろうとしていたくせに今は顔じゅうがふにゃふにゃ。


鏡を見なくても自分が緩んだ顔をしているのがなんとなくわかる。


顔も身体もまるで力が入らない。


「可愛いな」


「ひぁ……」


抱きしめたまま後頭部から背中にかけて優しく撫でられた。


「あっ……」


全身が沸騰したようにカーッと熱くなって小さく悲鳴を上げた。


「や……そんな触っちゃ」


「大丈夫、変なことしはないから」


膝の上に乗せられた状況だしもう充分ヘンナコトをされている気がするんだけど……。


「チーを充電しないと、俺もうダメなんだ」