今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。

「こうしたらずっと近くなる」


兄がいたずらっぽく笑うから、胸の奥がきゅうんとした。


「……」


どう返事をしたらいいのかわからない。ただ恥ずかしくて目が合わせられない。
だけど、流されちゃいけないと思った。


「チーともっと近づきたい」


彼の腕の中へ抱き寄せられて、ますます顔が熱くなる。


「も……これ以上はむりだよ」  


彼の胸を両手で押して少しでも離れようとしたけど、すぐに強い力で抱き寄せられた。


「でももっとチーを感じたい」


「翔くん……どうしてこんなことするの?強引すぎるよ」


「どうしてって、チーがあんなこと言うから止められなくなった」


「……」


「もう離れたくないって、俺に触れていたいって言ったのはチーの方だよ」


「そ、それはこういう意味じゃなくて……」


確かに私さっきはああ言ったけれど、こんなイチャイチャしたいってことじゃなかったんだけど。