今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。



「チーもっと顔を見せて」


「恥ずかしいからあんまり見ないで」


頭の中に霧がかかったようにぼんやりしている。


ここはどこだっけって思って周りをみると見覚えのある場所だった。


とりあえず、保健室ではないみたい。


長い机があって向かい側には黒い皮張りのソファがある。


私の座っているのもソファで……。


隣には兄がいるけど、かなり距離が近くて密着してる。


彼の腕は私の背中に回されていて……。


もう片方の手で愛おしそうに髪を撫でられている。


「チー、もっとこっちへ来て」


耳元でささやかれて飛び上がりそうになる。


「でも……」


これ以上なんてくっつけないよ。


って思っていたら彼の手が私の太ももの方へ伸びてくる。


抵抗した方がいいかもって一瞬思ったけど、動けなかった。


「きゃっ」


すると軽く抱えあげられて彼の膝の上にちょこんと座らされた。


あれ、ついこの前もこんなことをされたかも。