今までのお兄ちゃんと妹として関わるだけではもう足りない、満たされないような気がしてしまって。


私ってほんとにバカだ。自分の気持ちがわからないくせに思わせぶりな言い方をして。


私、何か期待してるのかな。
そんなこと考えちゃダメなのに……。


だけど、目の前の兄は動揺を隠せないみたいで頬を赤らめている。


「チー、そんなこと言うの反則」


「ごめんなさい、やだ私、どうしょう、恥ずかしい」


「チーがいいんだったら、俺だってもう止まらないよ」


「あ、ちがっ」


慌てて否定しようとして、頭をフル回転して言い訳をした。


「違うの、そういう意味じゃなくて。
ちゃんと本音で話して欲しいっていうか、うん、そう、そういう意味なのっ」


取り繕うようにそう言ったけど、もう手遅れっぽい。


兄は照れ臭そうに瞳を揺らせて黙り込んでしまっている。


やだ、どうしよう。
情けなくて恥ずかしくて今すぐここから消えたくなった。


とその時。


「お兄ちゃーん」