硬くてたくましい胸板に触れたらまた手が震えて……。


「あ、もう無理、恥ずかしい」


もう限界、これ以上したらおかしくなりそうで怖い。


結論を言えば、触るのも触られるのもどっちも恥ずかしい。


急いで手を振り払い、またポンちゃんを胸に抱き寄せる。


そして彼に背を向けると身を固くした。


「ごめん、調子に乗っていじめすぎた」


「……そうだよ、こんなの恥ずかしいんだから」


振り返って恨めしそうに彼を睨む。


「ごめん、でももう止められない」


後ろからギュッと抱きしめられたから、諦めて目を閉じた。


「もうっ……話すだけって言ってたくせに、嘘つき」


精一杯怒っているふりをしたいのに、ちっともうまくいかない。


「男の言うことなんて簡単に信じるなよ」


フッて含み笑いをされて、ますます動揺してしまう。


「知らないっ」


「怒った顔も可愛い」


「……」