憂鬱な雨の日だから【完】




「うん。あの曲俺が中学の時の合唱コンで歌った曲でさ。あ、この曲知ってるって思って聞いてたんだよね」


「そうなんだ。なんか恥ずかしいな……」



そんなに覚えているとは思ってもみなく。


急に気恥ずかしくなる。



「そんな恥ずかしがることないよ。君原さん十分ピアノ上手かったし。俺もこんな風に弾けたらなあって思ったよ」


「ありがとう……」



お世辞だか、お世辞でないんだか、まだ湯川くんの本心は分からないけど、こんなに話してくれるなんて最初は思ってもみなかった。