眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす








「起きたか」



温かいと思ったら、御影さんが手を握ってくれていた。


今が何時なのか、あれからどれくらい経ったのかわからないけど。


多分、ここに運ばれてからずっと握ってくれていたんだと思う。


同情からか、作戦のためかはわからないけれど。


なんとなく、手はずっと握られていたような、そんな気がする。



「……悪かった。一人にして」

「……」

「怖い思いさせた」

「……銀くんの傍を離れて、一人になったのは私だから」

「なんで急に飛び出したんだよ」

「それは……」



本当のことなんて、言いたくない。


小町さんとのことを気にしてるって知られたら、作戦は上手くいっていると思われるだけ。


でも……